« 2011年2月 | トップページ | 2011年5月 »

2011年4月

2011年4月17日 (日)

「ビニール狂時代」担当部分

最後の部分が担当でした。

DJはアーティストか?という男の質問に対して、部屋から出してほしいばかりに「アーティストではない」なんて答えていた主人公が、最後に、「人はみんな、ある程度DJ」「僕はDJだ」とい結論に至るところ、う~ん、なるほど、と思いました。

「リミックス作家」「DJ作家」と呼ばれるキム・ジュンヒョクさんの面目躍如、てところでしょうか。

この短編集の7番目の作品は、本当に既存の小説からリミックスしてしまう、という「DJ小説」?
この「ビニール狂時代」は、その布石というか、やはり全体が繋がっている感じで、何とも面白いです。

以下、担当部分で悩んだところ、気になったところです。

○p.101 12行目 몰고 갔다
直訳すると「(気絶直前まで)追い込んでいった」。
失神寸前まで盛り上げた、てことでしょうが、なんか若者らしい言葉はないかな~、と思い「イカせてやった」としてみました。

○p.101 下から5行目  공연 제의
「公演の提議」→「コンサートのオファー」としました。
が、DJがクラブでやるのは「コンサート」かなあ、となんかしっくりこなかったのですが…
今!思い出しました!
「ライブ」ですね。
なんでこの言葉を思いつかなかったのか・・・(>_<)
私の文中「コンサート」」はすべて「ライブ」にしてください。すみませんm(_ _)m
それとも他にもっとぴったりの言葉があるでしょうか?

○p.101 最下行 병이다
「(よくある)病気だ」→「職業病だ」としました。
でも調べてみると、직업병 という言葉もちゃんとあるんですね。
あえて、병 としているのなら、作者の意図を尊重しないといけないし…。
こんなことも、いちいち悩んでしまいます。

○p.102 8~13行目 ラップ部分
「踏み臼」って何?「餅つき」?
おそらくDJ音楽のビート感を比喩的に言っているのだと思いますが、そもそもDJがどういうものか、まともに聞いたことがないので、わからない~(T_T)
できるだけラップっぽくしてみたつもりですが、無理ありすぎですね(^_^;)

○p.103 6行目 심문
「尋問」といえば、日本では主に裁判で行うものというイメージですが、韓国では警察の取り調べも「尋問」なんですね。
以前見た韓ドラで、심문 と言ってるのが、字幕で「取り調べ」となっていたのを思い出しました。

○p.103 10~11行目 자꾸 아름다운 음악 얘길 하는데
「しきりに美しい音楽の話をするけど」
자꾸 も訳しにくい単語です。しきりに、何度も、どんどん、ひっきりなしに、…。
これは多分自然な韓国語だと思うので、自然な日本語だとどういうだろうか、と考え、「美しい音楽、美しい音楽って言うけど」としてみました。
どうでしょうか?

○p.103 最下行~p.1041行目 연습실을 가득 채웠다
「(ビートが流れ出て)練習室をいっぱいに満たした」
このままだとぎこちないので、「流れるビートが練習室に響き渡った」としました。
「いっぱいに満ちた」感じがいまいち出てないかな、と思いましたが、他にいい訳が思いつかず・・・。
この 가득 채웠다 が、男の 600장을 채워, という台詞を思い出させます。これも、ジュンヒョク作家が意図してこの言葉を選んでいるのでしょうか?

○全体に
・一人称は、「僕」に、コアラとの会話の中では「俺」にしました。
今どき、男性の友達どうしで「僕」という20代の若者はいないでしょうから。

・しょっちゅう出てくる 음반 を、「レコード」にするか「CD」にするか、悩みました。
韓国では両方とも 음반 なんですね。레코드,  시디 も出てくるし、どう区別しているのか…。
DJ演奏に使うのはレコードでしょうが、最後に将来DJとして음반 を出す、というところは、これはCD?と思うし…。
よくあることですが、日韓の「区別の境界線の違い」は悩ましくもあり、面白いです。

みなさんのコメントをいただけると嬉しいです(*^_^*)

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2011年4月 7日 (木)

とりあえず終わりました

「ビニル狂時代」、とりあえず、最後まで訳し終えました。

まだまだ、もっと推敲が必要だと思いますが、とにかく、やれやれ・・・。

主人公はDJのタマゴ、というイマドキの若者。
レコードをギュンギュン回すDJ音楽にはついていけない、冬ソナおばさん世代の私としては、
肝心のDJ音楽を実感できないので、なんか、やりにくかったです。

とくに、ラップの部分は、困る!
もとの韓国語の意味もニュアンスもよくわからないし、日本語にするにも、ラップらしく?なんてムリ~(>_<)

これも勉強ですね。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2011年4月 5日 (火)

もうすぐ締め切り

私もみなさん同様、3・11以来、どうにも何も手につかない日々を送っていました。

気がつけば1ヶ月以上もブログ更新をさぼってしまいました(^_^;)

そしてぽにょっ会の締め切りがもうすぐ、てことに気がつきました!

じつは「ビニル狂時代」の翻訳も途中で、長らく中断したままだったのです。
ヤバイ~と、あせって再開しました。

担当が最後の部分なので、何としても最後まで行かなければ・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年2月 | トップページ | 2011年5月 »