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2011年10月21日 (金)

「小説に見るオンマの味」

一昨日19日 コリアプラザ名古屋の文化講演「小説に見るオンマの味」に行ってきました。
申京淑さんは、黒とグレーにペンダントが光るシックな装い。
兼若敏之先生は、写真通りのお姿でした。

「母をお願い」の中に登場する約30種の家庭料理の名称と日本語訳、100種の食材などの名前と日本語を記した資料をいただき、これはラッキー!でしたscissors
いったいこれはどんな食べ物なんだろう・・・と、小説を読みながら疑問に思っていたところが多かったですから。
この資料はこれからも活用させていただきます。

集英社の方、お二方の挨拶に続き、兼若先生のアヤオヨ体操で始まりました。初めて目にして、あ~なるほど、これか~と兼若先先生のキャラにあらためて魅了されました(^-^;

申京淑さんのお声は、ソフトでゆっくり考えながら話されるので、とても聞き取りやすく、ほどんど理解することができました。
お話の中で印象に残ったこと。。。

沢山の読者が、この小説を読んで泣いた、と言ってくれたが、泣かせる小説を書いたつもりではなく、むしろ幸福をかんじてくれるように、と書いた。読者の涙が悲しみの涙ではなく、魂の治癒、浄化の涙であることを願う。

中に出てくる数々の料理はどれも、韓国ではごく普通の素朴な家庭料理。特に全羅道に特有のものと言えば、ガンギエイ。独特のアンモニア臭があるので食べられない人もいるが、ハマると病みつきになる。

母親がつくる料理は、その中に言葉に出来ない愛情が込められている。そのことが、小説を書きながらわかった。

料理をしている間は、食べさせる人のことを集中して考える。だから、ある人のために料理をすれば、その人のことをどう考えているのかがわかる。日本では男性がよく料理をするそうだが、料理をつくってもらえば(自分を)どう考えているのかわかるのではないか。

エピローグの次女の手紙は、姉に宛てたものだが、実は、もう会えない母に宛て書いたもの。仕事と家庭で悩み、オンマのようにはできない、と吐露する次女こそ、私たち現代の女性。

現代は、社会も個人も、お互いがオンマの役割、視線をもつ時代。息子が母親にとってのオンマの役割を果たすこともあり得る。
小説のオンマは、女性がオンマとして生きるしかない時代のオンマ。子供たちに夢を託すこの時代のオンマたちが、今の韓国をつくった。

いかに時代が変わろうと、オンマは、小さな生命をまごころを込めて育て、次の世代へつなげるもの。これがないと人類は滅亡、といっても過言ではない。

過ぎた時代のオンマの象徴として、また、母性を忘れかけている現代、オンマの時代をふり返り凝視するときと考え、この小説を書いた。


・・・かいつまんで紹介すると、このようなお話がありました。
とくに最後に、現代にこの小説を書く意味、のようなお話があったのがすごくよかったです。とても聞きたいことだったので。なるほど、と納得できました。

この日、夜には東京でもまたイベント、という強行軍で、集英社の方が、すぐ行かないと・・・とやきもきしていらっしゃる中、本にサインを求める列ができ、私もサインしていただきましたhappy02003_convert_20111024230227

韓国語版を持っている方が何人もいらしたのにはびっくりでした。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

ひがなおさん、
明日お会いできないとは残念です。
うっかり、ひがなおさんがいらっしゃるのは土曜日、と思い込んでいて、19日であることは当日の朝に気づきました。
もう少し早く気づいていたら、服装なり特徴なり、お知らせしておけたのにと残念です。

出身が京都なので、関西の仲間と翻訳研究を続けていますが、愛知へ来て3年、できればもう少し近い方々とも翻訳や文学の話しがしたいと願っています。

近いうちに、どこかでお会いできるのを楽しみにしています。

投稿: のんき | 2011年10月21日 (金) 20:16

ひがなおさんは、名古屋に行かれたのですねbullettrain
わたしは東京の夜の朗読会bookに参加してきました。
わあ、本の中のお料理についてのお話をされたなんてsign01素敵ですね。
資料もすごーく気になります。

投稿: ゆう | 2011年10月21日 (金) 23:01

料理のお話…と聞いて、
「はて、そんなに料理って出てきたっけ?」と思った私。
おそらく知らない単語が多くて、すっとばして読んでいたものと思われますcrying
20日の東京会場は、結構人が少なくて、もったいないな~と思っちゃいました。
いいお話が聞けて、よかったんですけどね。

投稿: nikka | 2011年10月22日 (土) 23:53

>のんきさん
ホームページおじゃましてきました。翻訳研究を長くされているんですね。
こんな会が近くにあったらぜひ参加したいです。私は韓国語のレベル自体がまだまだですが、とても興味があります。
いつかぜひお会いして、いろいろ教えていただきたいです。よろしくお願いします。

投稿: ひがなお | 2011年10月23日 (日) 08:36

>ゆうさん
ギャラリーで朗読会なんて素敵ですね。
シンギョンスクさんは本当にお疲れだったことと思いますが、私たちにはとても有り難い一日でした。

投稿: ひがなお | 2011年10月23日 (日) 08:38

>nikkaさん
ほんと、私も単語がわからないからほとんど意味不明のままのところが、まさに料理関係の言葉たち。
30種もあったとは…と、私も思いましたcoldsweats01
生活、文化、民族と言葉は切っても切れない、とあらためて感じました。

投稿: ひがなお | 2011年10月23日 (日) 08:43

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