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2011年11月15日 (火)

第二言語習得論

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岩波新書
白井恭弘「外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か」

これを読みました。
言語学、心理学、認知科学などの成果を使って「外国語を見につける」という現象を解明し、ひいては効率的な外国語学習の方法を導き出す、「第二言語習得(SLA)」研究の現在を紹介する。
という、うたい文句に期待して読んでみました。

一言でいうなら、当たり前のことがほとんどでした。


母語を基礎に外国語は習得される。言語間の距離が遠いほど習得が難しくなる。
学習開始年齢が低いほど習得に成功する。母語のフィルター、母語の転移・干渉のため大人になるほど習得しにくい。
言語習得はインプットを理解することによって起こる。意識的な学習により正しさをチェックし、、繰り返し使うことにより自動化していく。
有効な方法の一つは、例文暗記。単語は文脈の中で覚える。大量のインプットと、毎日すこしずつでもアウトプットを意識する。発音は模倣から。
などなど・・・。
そんなこと、当たり前でしょう、と思ってしましました。

筆者はアメリカの大学で応用言語学を教え、第二言語習得(SLA)を研究する専門家。
アメリカでの研究の成果が中心なので、英語を母語とするアメリカ人が外国語を習得しようとする場合、あるいは、移民など英語を母語としない人が英語を習得していく場合、が研究の対象です。
実証研究の対象が大学生中心で、学生の母語と学ぶ外国語、その方法や環境などを比較検討し、様々な方法論を紹介しています。

しかし・・・
う~ん、「外国語学習」という現象そのものを対象とした学問、SLAというものが、まだこれからなのでしょうか。
筆者自身も、まだ発展途上の研究だと述べていますが。

とくに、音声認識について全く触れていないのは意外でした。
よく、「発音が難しい」と言いますが、それはほとんど、習得しようとする外国語と母語との音韻体系の違いに行き着くのではないでしょうか。
人間が発することの出来る音声は無数にあります。区別して数える、ということが不可能でしょうから、無数といってもいいと思います。
その中で、言語ごとに音声を区別して認識し、音韻体系ができます。子どもが母語を習得するということは、その区別を覚え音韻体系を身につける、ということだと思います。
言い換えれば、無数にある人間の音声のうち、母語にある音声以外の音は認識できなくなる、母語で区別しない音は区別出来なくなる、ということではないでしょうか。

発音する、ということは、発声器官を動かすということ。母語で使う発音は無意識的に発声器官を動かしています。
しかし、母語にない発音、区別できない発音をしようとすれば、発声器官の動かし方そのものを意識的に変えなければ出来るはずがないと思います。
母語のフィルター(カタカナ発音)を極力廃し、音韻体系の違いをしっかり認識し、発声器官の運動を訓練する。コレが重要だと、私は考えています。

この本の中で参考になったのは、「とにかくまずインプットから」ということ。
大量のインプットがあってこそ、アウトプットも可能になる。多量のインプット理解と意識的学習の自動化。これですね。

やはり、もっともっとたくさん韓国語の本を読んだり、聞いたりしないと。まだまだ全然足りない~(>0<)。。。

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コメント

こんばんは~。
難しい内容だにゃ~。まあ、大人になってからでも本人しだいである程度までは外国語の習得も可能ですよね。発音よりは中身。発音はコツをつかむと、一気によくなることもありますね~。
気持ちが本物なら、発音が下手でも相手には伝わるものだと勤め人時代に痛感しました。

投稿: chilledstate | 2011年11月17日 (木) 22:07

>chilledstateさん
コメントありがとう。
コツをつかむ、てのがなかなか出来ないんですよね~。コツを早くつかむように上手く導くのが、良い外国語教師なんでしょう。
気持ちが本物なら下手でも伝わる!希望のコトバですshine

投稿: ひがなお | 2011年11月19日 (土) 22:24

私もカタカナ韓国語がなかなか抜けなかったので、ひがなおさんが言いたいことよくわかります。
難しいですよね~。

だいぶましになった?と思っていたら先日
「たまさんはガ行が鼻濁音だねぇ。
 もっとがっ!!と発音しないと。」と指摘されましたが難しいです~><

ちなみにうちのせんせいは(ネイティブです)
金メダルと銀メダルは聞くだけでは区別できないそうですよ。
その点は文脈で判断するのでしょうけど。

発音はどんなに下手でも上手でも、外国語を話すときにその言葉に誠意がないと、聞いていて言い気持ちはしませんよね。
と、えらそうなことを言いつつ、私の韓国語は大丈夫なんでしょうか・・・。

投稿: たま | 2011年11月30日 (水) 17:16

>たまさん
>その言葉に誠意がないと・・・、そうですよね。
テキストなどを音読するときも、心を込めて、なりきって言葉を発する、てことが大事だな~、とつくづく思います。発音自体は良くても、ただ読んでいるだけでは「言葉」が生きていない、というか。

韓国ネイティブは、何年も日本に住んで日本語ぺらぺらの人でも、点々のあるなし(清音、濁音)を区別できないようですね。それに、ハ行をㅎの発音で言うので何か違和感があります。
それほど、母語の音韻体系は強固だということでしょう。
点々を区別できないんだから、日本語ネイティブが平音、激音、濃音を区別できないのは、同じことで当たり前ですよね。教師はそういうところを良く理解して、学習者が母語として染みついている音韻体系を上手く利用して、韓国語として弁別可能な発音ができるよう指導してほしいと思います。
・・・って言うのは簡単だけど、教える側も、それが難しいんでしょうね(^-^;

投稿: ひがなお | 2011年12月 1日 (木) 14:17

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