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2012年7月

2012年7月25日 (水)

浅川伯教・巧兄弟資料館

浅川巧の出身地、山梨県北杜市を訪ねる機会があり、資料館を見学してきました。

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高原のロッジ風、ステキなたかね図書館の中にあります。

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浅川巧自筆の日記の複製。
走り書きでさらさら心のままに書いているのがわかります。


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解説ビデオは伯教編、巧編があり、それぞれ日本語阪と韓国語版がありました。
韓国語版で見てみました。

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兄・伯教に導かれ陶芸の道に入り韓国陶芸の巨匠となった陶芸家が再現した白磁と青磁。


現在、映画「道~白磁の人」メイキング展も開催中です。12月24日まで。

映画で使用した衣装や小物、台本、ロケ風景パネル、ロケスケジュール表、出演者サイン色紙などなどが展示されています。

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当時の“日本”の地図も。

映画を思い出して感動を新たにしました。


映画化されるまで紆余曲折を経て、日本人・韓国人・在日韓国人3者の協同によってつくりあげた映画。
その現場こそが、100年前の巧が模索した友好の実現だったといってもいいでしょう。

ふるさと八ヶ岳の自然を愛し、朝鮮の工芸を愛し、文化を愛し、人びとを愛した浅川巧。

浅川兄弟は英雄でもないし、一般には有名でもない、ほんとに無数にいる庶民に過ぎなかった人たちです。
その彼らを郷土の誇りとして、高根町(今は合併して北杜市高根町)の人びとがお金を出し合い、知恵を出し合って、こんな立派な資料館を作り上げた、それがまた素晴らしいと思いました。

なお、資料館内部の写真撮影とブログ掲載については申請書を出し許可をいただきました。


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たかね図書館のロビーには、白磁の壺をモチーフにした大きな木のオブジェがありました。

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図書館の中も木をふんだんに使ったつくりで、すごくステキです。
こんなところで一日中本を読んでいたい。


北杜市には大小さまざまな美術館があります。
平山郁夫シルクロード美術館と、フィリア美術館にも行ってきました。

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今回、学生時代の友人Kさんの別荘にお邪魔したのですが、なつかしい友たちと再会して楽しいときを過ごし、本当に有意義で楽しい旅行でした。
Kさん、感謝します

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2012年7月 6日 (金)

現代語学塾

4月から東京・目白の現代語学塾の翻訳通信講座を受講しています。

3月にヌルボさんのブログのコメントで知って、HPを見ると、いくつかある講座の中に「日本語を磨く韓→日翻訳通信講座」というのがありました。

Eメールを利用した通信講座で、「マンツーマンでプロの翻訳テクニックを伝授」という文句に、ぜひやってみたいな、と思ったら、有り難いことに無料体験がありました。

3,4行ほどの短い文章の翻訳で、中級と上級があり、どうせなら、と上級にチャレンジしてみました。

すると、とても丁寧は添削が返ってきました。
質問にも答えていただき、画像も使った説明で、短い文章の中に、私の気付かなかった問題点があったことがわかりました。

それで迷わず受講を申込みました。まずは中級から。

1回目は、契約書。
2回目は、経済関係の論説文。
3回目は、仏教寺院の遺跡の解説文。

じっくりと言葉を尽くして説明、添削してくださいます。

質問には具体的に文例を挙げて答えてくださり、ときには辛口のコメントもあり、ときには温かい励ましの言葉もあり、丁寧に見てくださっているのがわかります。

こんなに手間をかけていただいて、中級は10回で1万円。
安すぎます。
もっと高くても受講したいです。

締め切りがない、というのもいいですね。

もっとも、あまりのんびりしていると10回終わるのに1年くらいかかってしまいそうです。
今年中に中級を終えて、来年は上級に進みたいと考えているので、自分なりに締め切りを作ってやっていこうと思います

また、現代語学塾は通学クラスもとても充実しているようです。

特に土曜午後の「멋진 글쓰기」や土曜夜の「映画で会話」クラスは、上級を冠しつつ実は中級という教室の多いなか、真の上級といえる内容とのこと。
なかでも「映画で会話」は得るところが大きく、他の講師陣も受講しているほどだそうです。

東京近辺の方で、もしもご存知なかったら、ぜひいちど足を運んでみてはいかがでしょうか。
私も通学可能ならぜひ行きたいところです。

なお、翻訳通信講座は、担当の先生お一人だけなので、無料体験に関心ある方は、受講を検討していることを前提にされますように。。。


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2012年7月 1日 (日)

浅川巧 日記と書簡

映画「道~白磁の人」を見てもっと知りたくなり、この本を読みました。

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                  高崎宗司 編 「浅川巧 日記と書簡」 草風館


大正11年の1年間と大正12年の一部の日記。
そして昭和にかけて書かれた書簡。

まず、ほとんど毎日日記をつけていることに感心。
誰と会ってどんな話をして、こんな仕事して、何を食べて…と、マメに書いています。

よく友だちと会ってお酒を飲んで、飲み過ぎて記憶をなくした、とか。
教会などの人間関係が煩わしい、とか。

印象に残ったところ。

「従来の砂防造林やその工事には随分自然と縁の遠い仕方が多い。自然が告げた方法を実証してみたい。」

(結婚式に参列して)「法廷の宣告の様の処は変な気がした。自然の懐にあつて悦ぶ雀の結婚の様に、或いは水素と酸素が化合して水になる時の様に・・・自由の輝きがあつたら美しいと思つた。広い野原にでも出て二人きりで心行くばかりに祈つて唱つて結婚式をしたらどうだらう。」

「小役人を対手にするはいやになる。帰つて花壇を拵えて草花を植へて働いたら気持ちが軽くなつた。」

「朝鮮に来る旅行者に対する案内者の態度、案内者の朝鮮人に対する理解同情の程度に依つて、旅行者の観る朝鮮に大差が生ずるものらしい。今日の生徒等も美しい温かい朝鮮には触れずに過ぎるであらう。」

『美しい温かい朝鮮』・・・巧が美しく温かい白磁のような人だったから、彼にとって朝鮮は美しく温かかったのでしょうか。

友人の子どもや朝鮮人家庭の子どもと「遊んだ」という記述がよくありました。
これが、彼の人間性を表していると思います。

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