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2014年5月

2014年5月 5日 (月)

文春新書「日本語とハングル」

4月21日に発売された野間秀樹先生の新著「日本語とハングル」
発売前から予約して待っていました(^^)/

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やはりとっても面白いです!
う~ん、へえ~、と唸ります!

「ハングルの誕生」は歴史的な記述などちょっと難しい部分もありましたが、これはもっと柔らかく軽妙な文体で読みやすいです。
野間先生ご自身がとにかく面白がって書き進めているように感じられました。

もしもご存知ない方は、こちらの文春HPで立ち読みもできます。

「〈ハングルという「文字」から日本語という「言語」を照らす)のは何のためか? 面白い、圧倒的に面白いから」

私が韓国語とハングルにハマってしまったのも、まさにこの点です。
韓国語を勉強しながら日本語とあらためて出会う気分でした。

印象に残ったところを挙げてみると・・・

・日本語における振り仮名は単なる〈読み仮名〉ではない。書かれたことばの中に瞬間表れるダブル・トラックである。

・文字は単なる表記の装置に留まらず、言語を創り変えてゆく装置でもある。

・ハングルは音節の内部構造が透けて見える。漢字が鎧甲で重武装した文字、仮名が浴衣を着た文字だとすると、ハングルは天女の羽衣のような薄衣を纏いつつ、常に我が身の顕わとなる文字。

・助詞を考えるときは「助詞なし」を忘れるべからず。「は」と「が」の二つが対立しているのではなく、「は」と「が」と「ゼロ」が互いに対立している。「助詞なし」はたんに助詞を省略しているのではない。

・日本語や韓国語には主語がないとする「主語否定論」もあるが、主語のあるなしは、一文だけ見ても意味はない。文は常にさらに大きな全体の中に存在する。文を超えた文法の営みである。

・日本語〈である〉ファミリーの話し言葉の非敬意体は〈だ体〉ではなく、〈ゼロ体〉!

・〈話されたことば〉と〈書かれたことば〉というのは言語の存在様式。〈話しことば〉と〈書きことば〉というのは表現や文体のありよう。この区別が重要。

・ハングルで日本語の動詞の活用を書くと、「五段活用」は子音語幹の動詞、「下二段活用」は母音語幹の動詞になる。さらに15世紀のハングル=訓民正音では高低アクセントを表す傍点が付くので、同音異義語も文字の平面で区別できる。

まだまだもっとたくさん印象的なことだらけですが、とにかく「ことば」を生き生きと動的にとらえる野間先生の筆が心地よく感じられます。
勢い余って?おやじギャグに近いようなところもありますが・・・。

最終章の(話されたことば)研究では、2005年NHKテレビハングル講座講師のキム・ジナ先生の著書をもとに論を展開しています。
テレビ放送当時、私は韓国語学習を始めて2年目、とても興味深く視聴していました。

テレビ講座の中で話しことばの研究成果を紹介するコーナーがあって、そのときは初心者向けの講座の中にこんなコーナーがあることに違和感がありました。
それがこの本を読んで、なるほどこれは文法論にも通じるのかと私なりに納得しました。

「おわりに」では、この本で表したのは日本語の面白さのごく一部、実はさらに巨大な面白さがあり、それを知るには韓国語をいま少し知る必要がある、としています。

はやくも次の著書が待たれます!


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