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2015年4月

2015年4月11日 (土)

絵本の会から多読の会へ

「韓国語絵本の会」は「多読の会」への第一歩として始めました。

私とチングの教室は3クラス、4~6人くらいずつですが、熱心に勉強されてハン検準2級に合格して会話もかなりできる方もいれば、一方でお休みがちで基礎段階で足踏みしている方もいらっしゃいます。

いわゆるレベルの差があっても一緒に楽しめる方法はないものか、とずっと悩んでいたのですが、その一つに「多読」という考え方があります。→NPO多言語多読


一通りの文法と基本語彙を学習したら、いちばん望ましいのは現地で生活して大量のインプット、アウトプットを通じて身に付けることなのは、いうまでもありません。

しかし実際それが可能な人はまれです。

日本にいながら上達するには、その代替手段のインプットとして、たくさん本を読み、耳からもたくさん聴く。
つまり「多読・多聴」。
大量のインプットがないとその言語なりのスタイルや語感を感じ取ることはできません。

しかし韓国語の本やネット記事などナマの韓国語に触れましょう、とオススメしても、実践される方は少ないのが実情。
実際、初級文法を一通り終えても、一般の雑誌や本、記事は知らない単語や表現が多すぎてハードルが高いです。

語彙レベルを調節してリライトしたやさしい読み物がたくさんある英語と違って、その他の言語では学習者が読むのに適した本を見つけるのは困難です。

子ども向けの絵本はたしかに文字が少なく見た目はやさしいのですが、いわゆる基本語彙にはない擬声語擬態語や子どもの口調が多く、初級段階の学習者にはかえって難しくわからないことも多いのです。

いつまでもテキストだけでは面白くないし、もっと生きた言葉として気軽に触れる素材はないものか、とずっと悩んでいました。


そんなとき、HANA第4号で「韓国語多読の会」を知りました。

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初級レベルから一緒に多読を楽しめる、という話を聞いて、そんなことが可能なのか、と初めはびっくりしました。

上記の NPO多言語多読
「韓国語多読の会」のブログ

主催者の方や参加者の方のブログ等も拝見して、楽しんでおられる様子に感銘を受け、もっと詳しく学ぼうとこの本を読みました。
ヘバラギさんに教えていただいた「日本語教師のための多読授業入門」。

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この本の中には日本語多読の成功例や実践方法、大事なポイント、体験者の声などがわかりやすく書かれ、とても参考になりました。

特に参考になったのが、ひらがなが何とか読めて簡単なあいさつができる程度の日本語力でも「読む」ことは可能、という部分です。
絵がわかりやすく1ページに1文ないし1語、同じ表現がくり返し使われている絵本は多読に向いている、と具体的な実例がありました。
絵と文字と意味が有機的に結びついて自然にインプットされ、学習者の口から発せられるようになる、と。

なるほど、絵本はかえって難しいかと思っていましたが、内容をよく見て選べば初級段階の多読に向いている、とわかりました。

そこで思い切って韓国語の絵本をたくさん集めて多読の会をやりたい、と考えました。

そこにタイミング良く、ヘバラギさんが、ご自分の教室の多読の会のために用意された大量の絵本を、当分使わないから、とご厚意で貸してくださることに(感涙)

いろいろ考えた末、本格的な「多読」に入る前の準備段階として「絵本の会」とすることにしました。
「絵本の会」参加者の方々が、楽しみながら自然に「多読の会」に移行することを願って、適切な読み物を探していきたいと思っています。


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2015年4月 9日 (木)

TPOIK今回は断念

この4月26日のTOPIKⅡ(韓国語能力試験)、先日受験票が来ました。

ところが・・・

義母の四十九日法要と重なってしまいました。
やはり行けません(泣)

調べたら、一週間前までのキャンセルで受験料の40%は戻ってくるというので、キャンセルすることにしました。

がっくり・・・

秋には受験できますように。

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2015年4月 5日 (日)

第1回韓国語絵本の会

じつはささやかな韓国語教室で선생님 と呼ばれています。
ひょんなことから頼まれ、始めてもう6年になります。
もちろん私一人でできることではなく、ソウルっ子ネイティブ友人とコンビでやっています。

4~6人くらいずつ3クラスありますが、レベルに関わらず皆で楽しめることを、と考え、
普段の教室とは別に、昨日「韓国語絵本の会」を開催しました。


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向かって左のほうは文字数の少ないもの、だいたい右へいくほど文字が増えるように並べました。

日本語版のあるものは図書館で借りました。
比べて読むと細かい言い回しの違いがわかって面白いです。

外国語を学ぶ際、文法や単語暗記とは別に、とにかく本をたくさん読んでその言語の世界に浸って楽しもう、という「多読」の考え方に基づいています。

しかし実際基本語彙が定着していない方も多いので、かんたんな本を読むのも困難なのが実情です。

そこで多読への第一歩として、まずは「絵本の会」として絵本をたくさん読むことにしました。

とにかく文字数が少ない、初級の方も絵の力で何となくわかっていける、日本語原作のものも多く親しみがある、見ているだけできれい、などの利点があります。

教室の方々、お休みしている方、個人で勉強している方などに声をかけ8名の方が来られました。

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初めに絵本の会の4つのルールについて説明しました。
教室の方には前もってライン等でもお知らせしておいた内容です。

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辞書はひかないで知らない単語も推測して楽しんで!と言ってもやはり皆さんメモしたり辞書をひいたり、お勉強モードになってしまいがちでした。

1ページに短い文が一つだけ、ひと言だけ、など文字数が少ないほど見た目はやさしい感じがするのですが、
知らない単語が一つ二つあると、もう全体の意味が見えない、というのがネックですね。
初級単語が定着していない方はやはり辞書で調べていましたが、本を替えようにもそれ以上やさしい絵本はないので、辞書もOKとしました。

また、しばらくお休みしていた方は日本語版があるものを選んで読み比べていらっしゃいました。

かなりハイレベルの方でも擬態語を辞書で調べているので、擬態語は日本語にしないでその音を楽しんで、とアドバイスしましたが。
とにかく辞書をひきたくなるその気持ち、よくわかります(^_^;)

初めは仕方ないことだと思います。
「辞書をひかない」というのは大原則ですが、モヤモヤしたままでは楽しめないですから。
回を重ねて本の世界に入っていけるようになれば変わっていくだろうと、じっくり構えることにしました。

でも絵本を眺めてクスクス笑ったり
いい話~마음에 들어요~という方も(^^)

途中でネイティブ友人による読み聞かせも行いました。
나의 크레용 「ぼくのくれよん」は擬態語を実感として楽しめたと思います。
구리와 구라의 빵 만들기 「ぐりとぐら」は、リクエストがあったので読んでもらったのですが、結構分量が多く、半分くらいの方はよくわからなかったかも、という感じでした。

1時間半ほどの読書タイムで、いちばん多い方は10冊、少ない方でも5冊を読みました。
あれこれ絵本を選んだりおしゃべりもしたり、リラックスしてできたと思います。


思ったより楽しかった!
短い文、可愛い絵、くり返しの音が面白かった。次回も楽しみ!
という感想もいただきました。


今回の会が実現したのは、大量の絵本を貸してくださったヘバラギ韓国語教室のヘバラギさんのおかげです。

ミレの前田先生の講座で知り合った韓国語講師の方ですが、勉強家でほんとに熱心に教えることに取り組んでおられる姿に刺激を受け、よし、私も!と今回の運びとなりました。
本当にありがたいです。

次回は4月20日に開催する予定です。

もっと皆さんへの適切な声かけや絵本の選択ができるよう、私自身がまだまだ勉強しなくてはなりません。
自分自身も絵本を楽しみながら、もっと深めていきたいです。

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