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2015年8月

2015年8月30日 (日)

第13回韓国語絵本の会

昨日第13回の韓国語絵本の会を行いました。

今回は5名の参加でした。

みなさん3回~9回めの参加なので、すぐに絵本を手にとってどんどん読み始めます。

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ほとんどの方が1時間半くらいのあいだに4~6冊の絵本を楽しみました。

けっこう字の多い絵本をどんどん読めるようになりました。


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日本語版と読み比べて表現の違いを楽しんだりもします。


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ネイティブチングの読み聞かせもありました。

最後にこのごろ恒例のブックトーク。
各自オススメの絵本を一冊紹介します。

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みなさんほとんど韓国語でお話されました。
ストーリーを紹介したり、自分のことに結びつけて感想を述べたり、良い時間になりました。


9月にも2回行う予定です。

愛知県で韓国語絵本による多読に興味ある方は、、ぜひご連絡ください。

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2015年8月26日 (水)

多読支援セミナー

8月22日土曜日、東京でNPO多言語多読主催の「第4回多読支援セミナー」に参加しました。

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理事長の酒井氏が提唱する「多読」は単にたくさん読むということだけではなく、読む・聞く・話す・書くの四技能を伸ばすアプローチである、ということがよくわかりました。

そのポイントは講演の表題。

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「をさなごのやうに」→「おさなごのように」(検索に引っかからないように敢えて旧仮名遣いを使っているそうです)

冒頭、司会者の始まりのことばの後、いきなり若い男性が前で英語で話し始めました。

内容はだいたいで推測するに、今の自分はこのように英語でスピーチしているが、以前は英語が苦手でまったくできなかった、多読講座に通ううち身に付けた、ということを具体的経験を交えお話くださったようでした。

その堂々としたなめらかな話しぶりに、いったいどうやってこんなに上手くなったのか?と興味をひきつけてから、酒井氏の講演が始まりました。

「をさなごのやうに」つまり、ゼロの状態、まっさらの状態になってから始める。
そのためにはまず、これまで学んだ学校英語・お勉強英語を捨てる、洗い流さなければならない。


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それまで英語をたくさん勉強してきた人も、まずは「まっさら」な状態で文字なし絵本から始める。

絵による物語・気持ちの体験→そこから出てくる「ことば」を「をさなご」のように受け入れる→音・文字へ

多読の原点は
①辞書は 捨てる
②分からないところは 飛ばす
③自分に合わない本は 投げる

でしたが、3年間の活動を経て「読む」中心だった多読からtadokuへ成長しつつある。

tadokuは、読む・聞く・話す・書くをほぼ一緒に始める(洗い流しと並行)

絵本だけでなく映像も多いに利用する。
今はYouTubeで名作絵本のアニメなどが豊富にある。

洗い流しに有効なのが「劇薬シャドーイング」。
劇薬シャドーイングとは、まったく未知の外国語をわけもわからず真似してシャドーイングすること。
意味を考えずに無心に音に集中して追っていくことで耳と口を直結させ、それまでのカタカナ発音を洗うすすぎ効果がある。

次に「もごもごシャドーイング」。
ナチュラルスピードの英語をとにかく真似する。当然もごもごになる。
個々の発音は後回し。
まずリズムを身に付ける。
頭を使わない練習をする。
もごもごシャドーイングを続けていると、それらしい発音ができるようになる。

リズムやイントネーションが言語を特徴づけている分かりやすい例として、「タモリの4カ国語麻雀」。

また、自然な習得過程として Bite size (一口大)から始める。
Bite size とは、ひと息に言える意味的なカタマリ。
幼児はまず1語文から話し始め、Bite size が大きくなっていく。

酒井氏のエネルギッシュな講演は予定を大幅にオーバーして、ワークショップがなくなってしまいました。

「劇薬シャドーイング」「もごもごシャドーイング」を体験する、というのを期待していたのですが・・・
体験というより全体に紹介するだけでした。

残念です。

午後の分科会には出られず、午前の講演だけでしたが、多読ーtadoku-の面白さと同時に、韓国語学習に応用する難しさを感じました。

内容は、そうそう!と納得することばかりです。

「をさなご」のようにことばをそのまま受け入れればいいんです。

無心に音を追っていれば意味は後からついてくるでしょう。
絵と音と文字を、その奥にある豊かな世界の表象として感じて経験して吸収していけば、おのずとそれがあふれてアウトプットになるでしょう。

ほんとにそれができればどんなにいいか・・・

多くの日本人にとって韓国語は、まっさらの状態で入れる外国語です。
「をさなご」のように受け入れることは、英語に比べてはるかに易しいはずです。

しかし、何十年も日本語だけで暮らしてきた大人には、強固に母国語の言語体系、とくに音韻体系が染みついています。
無心に音を追って聞こえたとおりに発音する、ということがものすごく難しい。
絵本を見て意味を考えずにただ楽しむ、ということが難しい。
どうしても意味を考え頭を使ってしまいます。
意味が分からないことが苦痛でしかたない。

苦痛に耐えながら頭を使わない練習をするというのでは、楽しいはずの韓国語絵本が楽しくなくなってしまう。

ここをどう乗り越えるか。

そのための一つの処方が「劇薬」なのでしょう。
午後の分科会にその具体的アプローチの実践例などがあったのではないかと思います。

今回は一部しか参加できなかったので十分に勉強できませんでした。

が、何よりも嬉しかったのは、東京の韓国語多読の会の方々とお会いできたことです!

東京の会には日本語教師の方が多いということを知り、なるほどと思いました。
ファシリテーターのなおこさんが日本語教師だから、というのもありますが、やはり日本語と韓国語は似ているだけに、知れば知るほどお互いにそれぞれ自身をくっきりさせる、と感じます。

この日スタッフとしてお忙しいのにお昼休みをご一緒していただいたなおこさん、ありがとうございました。

韓国語多読については、まだまだ模索段階のようですが、それだけこれからの可能性が大きいということ。
そのわずかな一端に貢献できるよう、絵本の会を続けていこうと思います。

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