ボクの韓国現代史1959-2014
この本を読みました。
「ボクの韓国現代史1959-2014」 ユ・シミン:著/萩原恵美:訳
著者のユ・シミン(柳時敏)は盧武鉉政権で保健福祉相を努め、今は政界を引退してライターとして活躍している人物。
この本は著者が生まれた1959年から2014年までの韓国現代史55年と自分史を重ね合わせて描いています。
これまでユ・シミンの書いた本は20冊ほど、この本は韓国で20万部のベストセラー、ということなので結構売れっ子ライターのようです。
でも日本語訳が出るのはこれが初めて。
55年のあいだを経済発展、民主化、社会文化、南北関係、それぞれのテーマの章ごとに著者の視点で行ったり来たりしながら語っています。
なるほど~そういうことか~と思える面白い部分がたくさんありました。
扉の文句
――同時代を息を切らしつつ駆け足で生きてきたすべての友へ――
著者と私はほぼ同年代。
80年代前半の学生時代、半島で起こっていたことを当時は全く知りませんでした。
そういう時代だったといえばそれまでですが、今になるとどうして隣国に無関心でいられたのか、と思います。
同時代を生きているユ・シミンが
「冷静な観察者ではなく苦悩する当事者として僕らの世代の生きた歴史を振り返った」本書。
政治の世界に身を置いたこともある当事者でありながら、いわゆるリベラルで明るい人なんだろうな、と感じます。
翻訳者の萩原恵美さんは、現代語学塾の翻訳通信講座でお世話になった先生です。
訳注がとても丁寧で理解を助けてくれます。
さすがです。
韓国現代史については日本で書かれたものがいくつかありますが、当事者が書いた本書もぜひ一読をおすすめします。
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コメント
図書館に予約しました(^^)。
ツイートさせていただいたら、もう注文なさったかたも!
「冬ソナ」で韓国語に興味を持つまでは、韓国の現代史など知りませんでしたよねぇ。そういう意味でも「冬ソナ」の貢献度は大きいですねぇ!
投稿: ハーちゃん | 2016年2月20日 (土) 16:21
>ハーちゃんさん
そうですよねえ。考えてみたらいちばん近くのお隣さんなのに知らなかったのは残念だしある意味失礼なことでしたね。
一般的に韓国の人が日本の現代史について知っていることのほうが多いという不均衡が、まだまだ解消されていないのが現実だと思います。
こういう本が日本で翻訳されて出版されることは嬉しいですね(^^)
投稿: ひがなお | 2016年2月20日 (土) 17:15
さっそくお読みいただいたうえにご紹介までしてくださってありがとうございます。
現在絶賛売り込み中です(自分で絶賛してどうする)。
でも本当におもしろくてためになる本なので、多くのみなさんに読んでもらいたいと思っています。よろしくお願いします。
ところで「お世話になった」じゃないでしょ。まだ受講中なんだから過去形はいかんよ。いつでもいいから次の課題を提出してくださいね。待ってます^^
投稿: 萩原恵美 | 2016年2月22日 (月) 15:02
>萩原先生!
コメントありがとうございます。
えーまだ受講中といっていいんでしょうか(汗)
ほんとにいいんでしょうか。
ではお言葉に甘えて再開させていただけるよう頑張ります(大汗)
この本は、訳注と最後の年表のおかげで理解しやすかったです。たくさんの人名などは目がすべってしまいましたが(^-^;
人名の漢字表記や政治経済、法律用語など確認調査がたいへんだったのではないかと素人ながら感心しました。
たくさんの人に読まれますように。
投稿: ひがなお | 2016年2月22日 (月) 22:48