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2016年3月14日 (月)

「日本人と漢字」

新聞の書評で見て面白そうだったので図書館に予約して、1か月ほど待ってようやく来ました。

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「日本人と漢字」笹原宏之/集英社インターナショナル〈知のトレッキング叢書〉


第1章 変化し続ける漢字

第2章 中国での漢字の誕生と変遷

第3章 日本の漢字の変化と多様性

第4章 日本人による漢字への思い入れと手入れ

面白いです!

もう面白いところだらけなんですが、とにかく筆者は漢字はずっと変化してきて今も変化し続けているということを強調します。

だから「正しい」も「間違い」もない。
辞書でわかることは、漢字に関する複雑な事実のうちの一部に過ぎない。

はじめに「エビ」は海老、蝦、蛯・・・など時代と地域によって変遷することを、わかりやすく書いています。

「蛯」をエビと読めたのは女子大生が多かった、それはエビちゃんこと蛯原友里さんの影響、とか、
ほかにもたくさんジャニーズアイドルなど芸能人の名前を挙げて軽妙にわかりやすく書いています。

特におもしろいと思ったのは、幽霊漢字。
JIS漢字として登録されているのに現実世界には存在しない漢字があると初めて知りました。
日本の漢字が複雑ゆえ、まったく人間的なエラーから生まれてしまった漢字(ふうの文字)が十字以上あるとか。

それから筆者は『当て字・当て読み漢字表現辞典』を編纂したくらい、現代の当て字や特定集団の中だけで通じる位相文字についても詳しい。

もう今は漫画やアニメ、ネットの中でありとあらゆる当て字・当て読みが氾濫しています。

「悲観的現実主義者」と書いて「おとな」と読む、みたいな。

それを面白がってフラットな研究者の視点で観察している姿勢が、好ましく思えます。

この本は講演をもとにしているらしく、平易に語りかけるような口調でとても読みやすいです。

この著者のほかの本も読んでみたくなりました。


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コメント

早速予約しました! と言っても、お隣の区には5冊の蔵書があって貸し出し中は1冊でしたから、明日には読めるかな(^^)。ラッキーです。

私もこれ新聞でチラッと見たのですが、ひがなおさんの説明のように面白いとは知らなくて(^^;)。

幽霊漢字ですって!

漢字には興味があります。楽しみで〜す(^^)。ご紹介ありがとうございます!

投稿: ハーちゃん | 2016年3月15日 (火) 13:13

>ハーちゃんさん
近くの図書館に5冊も蔵書あるなんて羨ましい!
ウチの市立図書館には基本1冊しかありません。なので人気本はすごく待たされます。
漢字についてはいろいろ面白い本が出ているのでキリがないですね(^_^;)

投稿: ひがなお | 2016年3月16日 (水) 07:13

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