韓国語を学んでいると、母語である日本語を再発見することが多いです。
それが韓国語学習の大きな楽しみでもあります。
この本もとっても面白かったです。

『日本語という外国語』 荒川洋平 講談社現代新書
20 年以上、外国人に日本語を教えてきた日本語教師の著者が、その経験から「外国語としての日本語」の魅力や面白さを語っています。
「日本語は世界の中で独特なことば」
「敬語があるから難しい」
「漢字・ひらがな・カタカナを使い分けるのはたいへん」
こんなふうに思い込んでいる日本人は多いですが、日本語を外から眺めてみると、そうでもないということに気づかせてくれます。
本書の中で、私が常日ごろ知りたかったことに2つ、明解に答えてくれました。
1.母音が5つというのは、母音が3つしかないアラビア語に続いて世界で2番目の少なさ!
アラビア語の母音が3つというのは聞いたことあったので、そのほかに日本語より母音が少ない言語があるのか、ないのか、ずっと疑問でした。
専門家が世界で2番目、と言い切ってくれたのですっきりしました。
日本語は発音のうえではやさしい言語ですよね。
しかし、我々日本語ネイティブは5つしか母音を持たないため、外国語の習得、特に発音にとんでもない困難があるんですね・・・うう・・・o(;△;)o
2.ひらがな・カタカナ・漢字・アルファベットなど複数の表記システムを使い、かつそれらを混ぜて書く、世界でただ一つの言語である。
これも世界でただ一つ、とはっきりしました。
きれい、キレイ、綺麗・・・・音は同じなのに印象は微妙に違います。
こんなふうに表記で語感やニュアンスの違いがある言語を母語としているので、音より表記=文字優先ともいえる言語感覚になってしまっているのかな、と思います。
私だけでしょうか・・・?
そのほかにも、「日本語の音はどう聞こえるか」の章がとても印象深いです。
「ピーナッツせんべい」という単語は、いくつの音の単位でできているか?
という問いから、日本語のリズム、拍、長音節と短音節、日本語らしい聞こえ方について展開し、なるほど~!と納得しました。
韓国語を韓国語らしく話すうえでも、当然リズムと拍がとっても重要です。
ひとつひとつの母音や子音、パッチムなどが完ぺきでも、それだけでは韓国語らしく聞こえません。
我々の場合どうしても日本語の干渉があります。
なので、日本語のリズムと拍の特徴について客観的によく知っておくと、韓国語をそれらしく発音するのに大いに役立ちます。
とくに長音節と短音節についてはっきり認識しておくと、パッチムや連音化のリズムをつかみやすいのでは?
ところで「ピーナッツせんべい」は
① 9拍
② 5拍
③ 4拍
どれもアリだそうです(*^-^)
どういうこと?と思う方は、ぜひ本書をおすすめします。
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