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2017年7月28日 (金)

「満州夫人」

今年の春日本語版が出版されたこの本を読みました。


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    満州夫人 / 李吉隆著 舘野晳監訳 五十嵐真希訳 かんよう出版

帯にある文。
『朝鮮半島の南端、古今島の医師李根五と、その長男満雨、満雨と結婚した満州族の張永美。時代の荒波に翻弄される彼らの壮絶な物語』

韓国PEN文学賞受賞作品(2016年度小説部門)だそうです。

1945年8月から1961年4月の朝鮮半島が舞台。


日本の植民地支配末期から解放、様々な政治闘争、南北分断、朝鮮戦争、休戦、学生運動など、実際の事件や動乱を背景に、実在の歴史的人物も登場する小説です。

タイトルの「満州夫人」とは、ヒロインの張永美の別名。
満州から嫁いで来た美しい夫人ということで「満州夫人」と呼ばれ、夫と生き別れになってもたくましく生き抜き、剣術の達人で男たちを負かしたり、実業家としても成功したり、複数の男性とも関係を持ったり、まあ、波瀾万丈です。


「主丹剣」という朝鮮王朝末期に遡るアイテムも登場したり、家族が一人二人と戦乱の中死んでいったり、とまさに韓国大河ドラマといった感じ。

登場人物たちの心情と行動を通して韓国現代史を感じられるような気がします。

ヒロインを始め李家の人々は自分の考えをはっきり表明して潔く行動します。
体制を越えて夫について行く、学生でも先頭に立って戦闘に加わる、議員選挙に立候補する、罪に問われ法廷に立ったときも自己の主張を堂々と述べる。


始めのほうは人名や地名が分かりにくく、入り込むまで時間がかかったのですが、後半は一気に読んでしまいました。


これはまだ上巻のみの翻訳で、最後はまさに「はてさてどうなるか?!次回をお楽しみに!」というところで終わっています。

翻訳者の五十嵐さんによると下巻の翻訳も始めているとのこと、楽しみに待ちたいと思います。

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