『82年生まれ、キム・ジヨン』
話題の韓国小説『82年生まれ、キム・ジヨン』日本語版をようやく読みました。
韓国で2016年刊行以来100万部売れたというベストセラー。
日本語翻訳本が昨年12月に出版され、韓国文学としては異例の売れ行きで一時書店では品切れ状態に。
ジヨン、姉、母、祖母、友人、会社の先輩、同僚などいろんな世代の女性がそれぞれに味わってきた、女性であるゆえの不当な扱い、男女差別の姿をてんこ盛りで見せてくれます。
60年代の日本で生まれた私も「あるある」がいっぱいです。
法律や制度では人間は男女の別なく1人1人尊重されるはずなのに、それは建前であり、実際の世の中の習慣や人びとの通念はなかなか変わらない。
そんなものとやり過ごしてきたけれど、考えてみれば根拠のない区別や無意識の性差別に満ちた社会であることを、あらためて気づかされます。
日本語版の解説が素晴らしいです。
韓国における男女の緊張関係、男尊女卑の過去と現在、その中でたくましい女性たち、#Me Too運動が韓国を席巻したわけ、
そしてこの小説が韓国男性への強烈なミラーリングとなっていること。
韓国語でも日本語でも読んでいるあいだずっと感じていた一種の違和感の正体が分かってなるほど!となりました。
韓国語の原書は昨年入手して読みました。
翻訳者の斎藤真理子さんが詳しく語っている記事です。ぜひお読みください。
来週19日には東京新宿の紀伊國屋書店で著者チョ・ナムジュさんトークイベントがあるそうです。
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